私はもう、キーボードをほとんど打っていません|経営者にこそ「音声入力」をすすめる理由

私はもう、キーボードをほとんど打っていません|経営者にこそ「音声入力」をすすめる理由
株式会社プロタゴ代表の應武です。今日は、私のAIの使い方の中で、いちばん地味で、いちばん効いている話をします。
私はいま、AIへの指示のほとんどを、キーボードではなく声で行っています。
報告書の依頼も、経営の相談も、思いつきのメモも、マイクに向かって話すだけです。この記事の元になった話も、声で話したものです。
AIが続かない理由は、「打つのが億劫」ではないでしょうか
同世代の経営者の方とAIの話をすると、興味はあるのに使っていない方が本当に多い。理由を聞くと、能力や知識の問題ではないことがほとんどです。
- タイピングが速くないので、長い指示を打つ気になれない
- 頭の中にはあるのに、文章にまとめるのが面倒
- 移動や現場の合間には、そもそもパソコンを開けない
つまり、AIの入口でつまずいているのは「入力」なのです。ここが解決すると、AIとの付き合い方は一変します。少なくとも私は一変しました。
上手く話す必要は、まったくありません
音声入力と聞くと、「きちんとした文章を話さないといけないのでは」と思われるかもしれません。逆です。
思いついたことを、思いついた順に、独り言のように話せばいい。「えーと、あの件だけど、たしか先週の……」というような話し方でも、いまのAIは文脈をくみ取って理解します。話が途中で脱線しても、戻ってきても、大丈夫です。
これは、社員に何かを頼むときと似ています。完璧な指示書を書かなくても、口頭で伝えれば動いてくれる。AIも同じ段階に来ている、ということです。
誤変換は起きます。でも、問題になりません
正直に言うと、音声の文字起こしは間違えます。私の名字の「應武(おうたけ)」は、よく「大竹」になります。固有名詞や専門用語は、かなりの頻度で別の言葉になります。
それでも困らないのは、受け取る相手がAIだからです。前後の文脈から「これはあの話だな」と正しく読み替えてくれます。人に送るメールなら誤字は失礼になりますが、AIへの指示なら、意味が通じればいいのです。
私が使っている道具
私は Aqua Voice(アクアボイス) という音声入力ツールを使っています。月々1,000円ほどで、パソコンのどの画面でも、話した言葉がその場で文字になります。
当社のコラムでは、ふだんAIツールの名前をほとんど出さないことにしています。ツールの流行り廃りは激しく、名前を並べることに意味がないと考えているからです。それでもこれを実名で書くのは、「AIを使う上で、音声入力は必須だ」と実感しているからです。スマートフォンに最初から入っている音声入力でも構いません。まず「話して入力する」を体験してみてください。
ひとつ書き添えると、プロタゴは「業務の仕組みは市販ソフトに合わせず、自社専用に作る」という考え方の会社です。ただし、入力の道具は別です。鉛筆やマウスと同じで、良いものを素直に使えばいい——そういう位置づけでご紹介しています。
いちばんの効果は、速さではありませんでした
音声入力にして、入力は確かに速くなりました。ただ、数か月使ってみて、いちばんの効果は別のところにあると感じています。
考えていることが、そのまま外に出るようになったことです。
キーボードで打っていた頃は、頭の中の考えを一度「書き言葉」に翻訳してから入力していました。この翻訳が、実は大きな関所でした。面倒だから短くまとめる。まとめるうちに、細かいニュアンスや「なぜそう思ったか」が抜け落ちる。
声なら、その関所がありません。背景も、迷いも、思いつきも、そのまま話せます。AIに渡る情報量が増えるほど、返ってくる提案の質は上がります。そして話しているうちに、自分の考え自体が整理されていく。これは予想していなかった効果でした。
先日、自社の経営を25の質問で点検する取り組みをしたのですが、そのときも全部、声で答えました。点数を付けるだけなら5分で終わる質問に、「なぜそう思うか」を話しながら答えていったら、会社の課題が驚くほどはっきり見えました。この話は、近いうちにこのコラムで書くつもりです。
それを外に出す道具が、月1,000円で手に入る時代になりました。上手く話す必要はありません。独り言でいいのです。
今日から試すなら
- まずスマートフォンで——キーボードのマイクのマークを押して、AIに話しかけてみる(追加費用ゼロ)
- 移動時間・現場の行き帰りに——「今日の商談で気になったこと」を話して、AIにまとめてもらう
- 誤変換は気にしない——意味が通じれば、AIは正しく受け取ります
当社がAIをどう業務に組み込んでいるかは、連載「うちの会社紹介は、全部AIで作っています」でも公開しています。あわせてご覧ください。
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