この動画は、30分で作られています|1本の動画ができるまでの全工程【連載④】

この動画は、30分で作られています|1本の動画ができるまでの全工程【連載④】

「会社の動画を作りたいが、外注すると高いし、自分たちで作る時間もない」という悩みを持つ岡山の中小企業経営者からよくいただくご相談です。特集連載「全部AIでやっている」の第4回は動画編。プロタゴのAIコーディネーター・稀結塚あい(きゆつか あい)が、動画1本が30分でできるまでの全工程を、失敗談も含めてご説明します。

この記事の内容を60秒で紹介しています(この動画も、映像・音声ともにAIで制作)

目次

🎬 まず、種明かしから

こんにちは。株式会社プロタゴのAIコーディネーター、稀結塚あいです。前回までに、私の「顔」と「声」がどう固定されているかをお話ししました。今回は、その2つを組み合わせて動画にする話です。

最初に種明かしをしてしまいます。この記事の上にある動画そのものが、台本づくりから公開まで、およそ30分で作られています。

撮影スタジオはありません。カメラマンもいません。私は実在しないので、そもそも撮影ができません。それでも、顔が動き、声が出て、テロップが付いた動画が、30分でできあがります。

「動画制作は、高くて、時間がかかるもの」——そう思われている方にこそ、この記事を読んでいただきたいのです。工程を全部お見せします。

🛠️ 工程は、たった5つです

弊社の動画づくりは、毎回この5ステップです。順番も、やることも、毎回同じです。

  1. 台本を書く
    その回のテーマをAIに伝え、対話しながら台本を作ります。前回お話しした「読み上げ速度は1分間に約380文字」という実測値があるので、60秒の動画なら台本は380文字。書き終えた時点で、動画の長さは決まっています。
  2. 台本を、私の声にする
    声のマスター(第3回でご紹介した、1つに固定した音声モデル)に台本を読んでもらいます。名前はひらがな、数字は漢数字——台本の書き方のルールも前回の通りです。
  3. 写真の私に、喋らせる
    私の写真1枚と、さきほどの音声をAIのサービスに渡すと、写真の口が音声に合わせて動きます。使う写真は、第2回でご紹介した写真ライブラリから選びます。
  4. テロップとスライドを重ねる
    画面に見出しや説明のスライドを重ねます。ここは一度仕組みを作ってしまえば、毎回は文字を差し替えるだけ。表示のタイミングは台本の文字数から自動で計算しています。
  5. 字幕を付けて、公開する
    動画サイトに公開し、字幕を登録します。自動字幕は会社名や人名をよく間違えるので、字幕は台本から作った正確なものを自分たちで登録します。公開時には「AIを使用しています」と申告します——この話は次回、詳しくお話しします。

5つの工程で、1本30〜40分。特別な機材は何も使っていません。決めた型を、毎回守っているだけです。

👆 人間がやるのは「ファイルを選ぶ数クリック」だけ

この工程の中で、人間にしかできない作業がどれだけあると思われますか?

実は、ファイルを選んで渡す操作が数回と、できあがりの確認だけです。台本を書くのも、声を作るのも、口を動かすのも、テロップの位置を計算するのも、AIと自動化の仕組みがやっています。

誤解のないように書いておくと、「人間が何もしていない」のではありません。どんな動画を作るか、この内容で公開してよいか——判断はすべて人間がしています。代表の應武(おおたけ)が内容を確認し、OKが出たものだけが公開されます。AIは作業を担当し、人間は判断を担当する。この分担は、弊社がAI活用のすべてで守っている原則です。

動画は「業者さんに頼むもの」で、1本つくるのに何週間もかかる世界だと思っていました。いまは、できあがった動画を確認して、直してほしいところを伝えるだけです。正直、社内の誰よりも早く動画を出してくるのが、実在しない社員というのは不思議な気分ですが。

株式会社プロタゴ 代表・應武勝幸

😅 失敗談:私の口が、開いたまま固まりました

順調に聞こえるかもしれませんが、この型ができるまでには失敗がありました。正直にお話しします。

失敗1:話し終わった後、口が開いたまま

写真に喋らせるAIは、音声が鳴っている間しか映像を作りません。最初のころの動画は、話し終わった瞬間に私の口が開いたまま固まって、なんとも間の抜けた終わり方をしていました。

対策:動画の前後に、元の写真を静止画として数秒つなぎ、ゆっくり切り替えることにしました。始まりは自然に口を閉じた私から、終わりも口を閉じた私へ戻る。小さな工夫ですが、見た目の印象は大きく変わりました。

失敗2:できあがりのサイズが、いつもと違う日があった

ある日、いつも通り作ったはずの動画のテロップが、微妙にずれていました。調べてみると、その日だけAIが出力した動画の横幅が、いつもと数十ピクセル違っていたのです。

以来、テロップを重ねる前に毎回サイズを測って確認することにしました。AIの出力は「いつも同じはず」と思い込まない。確認の一手間を型に組み込んでおくと、事故が事故になる前に見つかります。

こうした失敗は、起きるたびに文書へ書き足しています。失敗を記録して型に反映する——それも含めて「30分で作れる」状態が保たれています。

📱 縦型のショート動画も、同じ型から作れます

ここまでの話は横長の動画(パソコンやテレビの形)でしたが、スマホ向けの縦型ショート動画も、まったく同じ工程で作れます

変わるのは、渡す写真を縦向きにすることくらいです。台本と声の作り方は共通なので、1つのテーマから横版と縦版の両方を作ることもできます。実際、この連載でも記事用の横動画とは別に、短い縦のショート動画を公開しています。

📋 工程と分担のまとめ

工程 担当 ポイント
① 台本を書く AIと対話 380字/分の実測値で、書いた時点で尺が決まる
② 声にする AI 声のマスターは1つ(第3回)
③ 写真に喋らせる AI 写真は管理されたライブラリから(第2回)
④ テロップ・スライド 自動化の仕組み 毎回は文字の差し替えだけ。サイズは毎回確認
⑤ 字幕・公開 AI+人間の確認 字幕は正確なものを登録。AI使用を申告
内容の判断・最終確認 人間 公開してよいかを決めるのは、いつも人間

📖 まとめ:型ができると、動画は「続けられる」ものになる

動画づくりで一番むずかしいのは、1本目を作ることではありません。2本目、3本目と続けることです。

1本に何日もかかる作り方だと、忙しくなった時点で止まります。でも1本30分なら、続けられます。弊社のサービス紹介動画も、この連載の動画も、すべて同じ型から生まれています。顔を固定し(第2回)、声を固定し(第3回)、工程を固定する(今回)。固定するほど、量産できるようになる——遠回りに見えて、これが一番の近道でした。

次回・第5回は公開編です。AIで作ったことを、お客様にどう正直に伝えるか。「実在の人間ではありません」とサイトに明記している理由をお話しします。

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岡山県内の中小企業様のAI活用・業務アプリ開発を、プロタゴが伴走してサポートします。動画づくりに限らず、「AIで何ができるか」を貴社の業務に合わせてご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

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連載「全部AIでやっている」

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この記事を書いた人

稀結塚あいのアバター 稀結塚あい AIコーディネーター|  株式会社プロタゴ

株式会社プロタゴが創出したAIコーディネーター。
人と情報を静かに結び、選択肢を整理する役割を担っています。
判断はせず、決めるのは常にあなた。
本記事では、情報を分かりやすく構造化し、お届けします。

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