どのAIエージェントを使えばいいのか|Claude Code、Codex、そして自社に合うものの選び方【AIエージェント基本講座 第1回】

どのAIエージェントを使えばいいのか|Claude Code、Codex、そして自社に合うものの選び方【AIエージェント基本講座 第1回】
この記事の内容を、1分14秒の動画にまとめています(読むより先に、こちらでも)。
株式会社プロタゴ代表の應武です。前回は、AIの使い方が「答える」から「仕事をする」へ変わり始めている、という働き方の話をしました。今回は、その働き方をする道具の話です。
AIエージェントと呼ばれる道具は、一つではありません
前回お話しした「目的を伝えると、資料を自分で見て、考えて、作業して、最後まで進めるAI」。こういう働き方をする道具は、いま何種類も出ています。よく名前を聞くのは、この二つです。
Claude Code(クロード・コード)
Anthropic社のAIエージェント。この連載では、これを使って進めます
Codex(コーデックス)
OpenAI社のAIエージェント。ChatGPTと同じ会社のものです
ほかにもありますし、これからも増えます。名前に「Code」「Codex」と付いているので、プログラムを書く人の道具に見えますが、そうではありません。私は一行も書けませんが、毎日使っています。コードを書くのはAIで、私は日本語で頼むだけです。
さて、ここで多くの方が立ち止まります。「で、うちはどれを使えばいいのか」。私も、ここで一番迷いました。
自社に合うものの、選び方
先に結論を書きます。道具から選ばないでください。
どれも、考え方は同じです。フォルダを渡す。会社の説明書を置く。止まってほしい場面を決める。この骨格は共通で、違いは入口の作りと、普段使っているAIとの相性くらいです。しかも機能は毎月のように変わります。今日つくった比較表は、来月にはもう古くなっています。
先に決めるのは、道具ではなく「どの仕事を任せたいか」です。それが決まれば、道具はどれでも始められます。逆に、これが決まらないまま道具を比べても、答えは出ません。比べているうちに、また新しい名前が出てきます。
では、その仕事をどうやって見つけるのか。これは大事なところなので、次回、まるごと一回を使ってお話しします。
この連載では、Claude Codeで進めます。理由は単純で、私が1年使っていて、どこでつまずくかを全部知っているからです。他の道具を選ばれても、考え方はそのまま使えます。この連載でお伝えしたいのは、道具の操作ではなく「AIに仕事を渡す設計」の方だからです。
あらためて、Claude Codeとは何なのか
一言で言うと、自分のパソコンの「フォルダ」の中で働くAIです。フォルダを一つ渡すと、その中にある書類を自分で開いて読み、書き直し、新しく作り、必要なら作業を最後まで進めます。
私は、こんなふうに理解しています。
チャットのAI
電話の向こうにいる、物知りな相談相手。聞けば何でも答えてくれるが、こちらの机の上は見えていない
AIエージェント
隣の席に座って、自分の机の書類を一緒に開いて、手を動かしてくれる相手
前回お話しした「答えるAI」と「仕事をするAI」の違いは、突き詰めるとこの一点です。机の上が見えているかどうか。見えているから、資料を自分で開けます。開けるから、最後まで進められます。
頼めることは、三段階で増えていきます
「何ができるのか」は、三段階で考えると分かりやすいと思います。カッコ内は、実際にこう言えば動く、という頼み方の例です。
一段目:読む
フォルダに入れた書類を、自分で開いて読みます。Wordでも、Excelでも、PDFでも、写真でも。こちらが貼り付ける必要はありません。
- 「このフォルダにある先月の資料を全部見て、気になる点を教えて」
- 「この取扱説明書を読んで、うちの機種でこの設定ができるか調べて」
二段目:やる
読んだうえで、計算し、書き、ファイルを作ります。返ってくるのは「答え」ではなく、そのまま使える成果物です。
- 「この1年分の売上を、顧客別・商品別にまとめて」
- 「このフォルダの請求書を年月別に分けて、ファイル名をうちのルールに直して」
- 「この議事録から、社内向けの通知文を作って」
三段目:残る
一度やり方を決めた仕事は、次から同じ形で繰り返せます。さらに進むと、会社専用の小さな仕組みになります。
- 「来月からも、同じ処理をして」(毎月の定型業務が、仕組みになる)
- 見積書を作る、顧客を検索する、案件を管理する——これまで外注していた小さなシステムを、自社専用に作る
お気づきかもしれませんが、この三段のどこにも「プログラムを書く」は出てきません。書類を読み、数字を扱い、ファイルを作り、仕組みを残す。会社の事務と経営の仕事そのものです。
前回は言わなかった、二つの違い
前回、チャットのAIとの違いは「手が届く範囲」だとお話ししました。実際に使ってみると、それ以外にも大きな違いが二つあります。この二つは、使い始めるまで私も知りませんでした。
違い① 記憶——会社の説明書を、先に読む
チャットのAIは、毎回ほぼ初対面です。うちの会社が何をしていて、何を大事にしているかを、毎回説明し直すことになります。
AIエージェントは、フォルダに置いた「会社の説明書」と前回の引き継ぎメモを読んでから仕事を始めます。私は会社のデスクトップと自宅のノートパソコンを使い分けていますが、どちらで開いても同じ説明書を読むので、話が途切れません。実は、この記事の元になった夜も、会社で作った動画の予約投稿を、自宅のノートで続きから終えました。
この「説明書」が、連載の後半でいちばん大事になります。書き方は第3回でお見せします。
違い② 止まる場面——ここが、いちばん安心しているところ
サイトの本番更新、お客様へのメール送信、SNSの公開ボタン。こうした「取り消せないこと」の前では、必ず「これでいいですか」と止まります。
パスワードも入れません。ログインは私がして、その後の作業をAIに渡します。仕事を任せられるのは、この「止まる設計」があるからです。どこに線を引いているかは、第5回でそのままお見せします。
正直に書いておきたいこと
良いことばかりではありません。有料です(費用は第5回で正直に書きます)。最初の数日は、会社の説明に時間がかかります。そして、AIは間違えます。だからこそ「止まる設計」と、間違えたら説明書に一行足す運用が要ります。もう一つ、私が使えているのは音声入力とセットだからです。キーボードが苦手な方ほど、最終回(第5回)を読んでください。
先に決めるのは「どの仕事を任せたいか」。それが決まっていれば、どの道具でも始められます。
私がやっているのは、社員に「これ、やっておいて」と頼むのと同じことです。違うのは、相手がパソコンの中にいて、フォルダの書類を自分で開いてくれること。コードを書いているのはAIで、私は日本語で頼んでいるだけです。
— 株式会社プロタゴ 代表 應武勝幸
次回は、「何を任せるか」の話です
道具の見当がついたら、次はうちの何を任せるかです。次回は、その仕事の見つけ方をお話しします。
結論を先に言うと、たいていは三つのどれかです。後回しになっている仕事。時間を食っている仕事。そして、頼むと高いので諦めてきた仕事。どれか一つは、必ず心当たりがあると思います。
- 第0回 AIは「答える」から「仕事をする」へ|AIエージェントとは何か
- 第1回 どのAIエージェントを使えばいいのか|Claude Code、Codex、そして自社に合うものの選び方(この記事)
- 第2回 何を任せればいいのか|後回しの仕事、時間を食う仕事、諦めていた仕事
- 第3回 このホームページも、AIエージェントと作りました|最初に渡したのは、会社の方針でした
- 第4回 最初は、見積書だけでした|小さく作った仕組みが、会社の基幹システムになるまで
- 第5回 社長が使わないと、会社には落ちません|まず、触ってみてください
