何を任せればいいのか|後回しの仕事、時間を食う仕事、諦めていた仕事【AIエージェント基本講座 第2回】

何を任せればいいのか|後回しの仕事、時間を食う仕事、諦めていた仕事【AIエージェント基本講座 第2回】
この記事の内容を、1分27秒の動画にまとめています(読むより先に、こちらでも)。
株式会社プロタゴ代表の應武です。前回は「道具から選ばず、任せたい仕事から決めてください」と書きました。今回は、その仕事をどう見つけるかの話です。
先に申し上げると、順番を間違えないことが、いちばん大事です。「AIを使ってみよう」から始めると、たいてい続きません。「この仕事を、なんとかしたい」が先にあって、その手段としてAIエージェントがある。この順番でないと、触ってみただけで終わってしまいます。
こういうこと、ありませんか
会社の中には、だいたい三つの型の仕事があります。どれも、たぶん心当たりがあると思います。
一つ目:後回しになる仕事
毎週やると決めているのに、忙しい週は飛ぶ。気がつけば一か月やっていない。やらなくても今日は困らないが、やらないとじわじわ効いてくる——そういう仕事です。
ホームページの更新、お客様への定期的なご連絡、社内の記録づくり。難しい仕事ではありません。ただ、手間があるから後ろに回る。
二つ目:時間を食う仕事
やれば終わります。ただし一時間かかる。その一時間、ほかの仕事は止まります。
毎月の集計、資料の突き合わせ、書類の整理。慣れているので難しくはありません。でも、社長がやる仕事かというと、違う気もする。かといって人に頼むほどでもない。そうして自分でやり続けている仕事です。
三つ目:諦めていた仕事
本当はやりたい。でも業者に頼めば費用がかかる。打ち合わせの時間も要る。見積を待って、仕様を決めて、修正のやり取りをして——そこまで考えて、何年も手つかずになっているものです。
うちにもありました。社内の見積・請求の仕組みがそうです。市販のソフトは自社のやり方に合わない。かといって作ってもらうと費用がかかる。だから、Excelと手作業のままずっと来ていました。
三つに共通しているもの
並べてみると、共通点があります。
- 繰り返し来る(毎日、毎週、毎月)
- 難しくはない(やり方は分かっている)
- それなりに手間がかかる(だから後ろに回る、あるいは諦める)
難しい仕事ではないのです。手間なだけ。ここが大事なところで、AIエージェントが効くのは、まさにこういう仕事です。
任せると、三つのことが起きます
1. 時間が短くなる
一時間かかっていたものが、確認だけになります。分かりやすい効果ですが、実はいちばん小さい効果です
2. できていなかったことが、できるようになる
後回しにしていたこと、諦めていたことに手が届きます。これがいちばん大きい
3. ミスが減る
同じ手順を、毎回同じようにやります。疲れていても、急いでいても、抜けません
「時間が短くなる」は、たしかにありがたいことです。ただ、うちで実際に効いたのは二つ目でした。ずっとやりたかったけれど手が回らなかったことに、次々と手が届くようになった。会社としての変化は、こちらの方がはるかに大きかったと思います。
「これまでできなかったことが、できるようになる」——AIエージェントを入れて、いちばん実感しているのはここです。
自分の会社で探すときの見方
では、どうやって見つけるか。次のどれかに当てはまる仕事を、一つだけ思い浮かべてみてください。
- 毎日・毎週・毎月、必ずやっている
- 手作業でやっている(ExcelやPDF、紙の書類を触っている)
- 毎回30分以上かかっている
- 忙しいと後回しになる
- やりたいけれど、頼むと高いので諦めている
一つも思い浮かばない、という会社は、まずありません。たいてい、三つも四つも出てきます。そうしたら、その中でいちばん気になっているものを一つ選んでください。
選ぶときのコツが一つあります。いちばん大きい仕事から始めないでください。「基幹システムを入れ替える」のような話ではなく、「毎月この集計に一時間かかっている」くらいの大きさがちょうどよいです。小さく始めた方が、早く手応えが分かります。
「AIを使う」が目的になると、続きません
最後にもう一度だけ、順番の話をさせてください。
「AIで何かできないか」から入ると、たいてい止まります。何をさせるかが決まらないまま、触ってみて、へえと思って、そこで終わる。私も最初の何回かは、そうでした。
続いたのは、「この仕事を、なんとかしたい」と思ったときでした。目的が先にあると、うまくいかなくても工夫します。頼み方を変えたり、渡す資料を増やしたり。そうやって何往復かするうちに、形になります。
AIを使うことが目的ではありません。会社の仕事を、もう少しましにしたい。それが先です。AIエージェントは、そのための道具の一つにすぎません。ただ、いままでの道具とは、できることの幅がずいぶん違います。
— 株式会社プロタゴ 代表 應武勝幸
次回から、うちの例を二つお見せします
ここまでは考え方の話でした。次回からは、実際にうちの会社で何が起きたのかを、具体的にお見せします。
一つ目は、いまあなたが読んでいる、このホームページです。このサイトも、AIエージェントと一緒に作りました。二つ目は、社内の見積と請求の仕組み。どちらも、さきほどの「諦めていた仕事」でした。
- 第0回 AIは「答える」から「仕事をする」へ|AIエージェントとは何か
- 第1回 どのAIエージェントを使えばいいのか|Claude Code、Codex、そして自社に合うものの選び方
- 第2回 何を任せればいいのか|後回しの仕事、時間を食う仕事、諦めていた仕事(この記事)
- 第3回 このホームページも、AIエージェントと作りました
- 第4回 見積も請求も、自社専用の仕組みで
- 第5回 社長が使わないと、会社には落ちません
