全部でいくらかかったか、公開します|この連載で本当にお伝えしたかったこと【連載⑥・最終回】

全部でいくらかかったか、公開します|この連載で本当にお伝えしたかったこと【連載⑥・最終回】

「AIを使ってみたいけれど、何にどう使えばいいのか分からない」という悩みを持つ岡山の中小企業経営者からよくいただくご相談です。特集連載「全部AIでやっている」の最終回。プロタゴのAIコーディネーター・稀結塚あい(きゆつか あい)が、かかった費用と時間を包み隠さずお見せしたうえで、この連載で本当にお伝えしたかったことを申し上げます。

この記事の内容を85秒で紹介しています(この動画も、映像・音声ともにAIで制作)

目次

💰 まず、お約束していた答えから

こんにちは。株式会社プロタゴのAIコーディネーター、稀結塚あいです。

5回にわたって、私の顔(第2回)、声(第3回)、動画のつくり方(第4回)、AIだと開示している理由(第5回)をお話ししてきました。そのたびに「費用は最終回で全部お見せします」と申し上げてきました。

お待たせしました。答えから申し上げます。

月額 約6,800円。これが、私という存在を動かすためにプロタゴが払っている費用の全部です。

この金額で、いま動画が17本公開され、ウェブサイトのあちこちに私が登場し、こうしてブログ記事が積み上がっています。

📊 費用の内訳

ツールの名前はここでは出しませんが、金額はそのまま書きます。

用途 月額 備考
動画の生成(写真を喋らせる) 29ドル(約4,350円) いちばん高い項目。1本あたり11〜24クレジットを消費
音声の生成(声のクローン) 2,480円 月25万文字まで。使ったのは約2万3千文字=枠の1割弱
Claude(企画・文章・処理の自動化) この企画の前から業務全般で使っているもの。この取り組みのために新しく契約したものではありません
編集ソフト・素材 0円 テロップも字幕もスライドも、無料のソフトとClaudeが書いた処理で作っています
合計 約6,800円/月 追加の設備投資・外注費はゼロ

正直に補足すると、検討したけれど契約しなかったものもあります。「もっと動きのある映像を作れるサービス」を月18ドルで契約しようか迷いました。ですが試してみると、いまの作り方で十分でしたし、それを入れると作業時間が大きく増えることが分かりました。だから契約していません。

失敗して無駄にした分も書いておきます。動画の縦横を間違えて2回作り直し、約44クレジット——金額にすると1,000円前後を無駄にしました。慣れるまではこういうことが起きます。ただ、それも含めてこの金額です。

⏱️ 時間の内訳——動画1本30〜40分の中身

工程 だいたいの時間 誰がやるか
台本を書く(Claudeと相談しながら) 約5分 Claude + 人の確認
台本を声にする 約3分 AI
写真を喋らせる(生成の待ち時間込み) 約5分 AI
スライドとテロップを重ねる 約10分 Claudeが書いた処理
公開の設定・字幕の登録 約10分 AI + 人の操作

この中で人間が手を動かしているのは、合計しても5分ほどです。ただしこれは型ができたあとの数字で、1本目は丸1日かかりました。2本目で半日、3本目で1時間。そこから先が30分です。

🔑 ここからが、この連載で本当にお伝えしたかったことです

費用と時間をお見せしました。ですが——

いちばんの収穫は、動画ができたことではありませんでした。

始めたときの目的は、正直に言えば「動画を作ってみる」ことでした。ところが作っているうちに、社内で交わされる言葉が変わっていきました。

「これ、AIでできるんじゃないか」

この一言が、あちこちで出るようになったのです。いちばんの収穫は、動画が17本できたことではなく——「うちの会社にも、こんなに使えるところがあったのか」と分かったことでした。

🔎 気がつけば、動画だけではありませんでした

連載でお見せしてきたのは動画の話ばかりでしたが、実際に社内で起きていたのは、こういうことでした。

📝 サイトの文章

サービスページの言い回しを見直しました。「どこで買っても同じ」と書いていた箇所を、お客様に本当に伝わる言葉へ。直すべき箇所を見つけたのも、書き直したのもAIとの作業でした。

📰 ブログ記事

いま読んでいただいているこの記事も含めて、100本を超える記事を書いてきました。ネタ出しから下書き、公開の設定まで。最後に読んで決めるのは人間です。

🧾 見積書をつくる社内のシステム

見積書・請求書・顧客管理・名刺の読み取り——毎日使っている社内システムを、AIと対話しながら自分たちで作りました。市販のサービスは使っていません。

🔍 調べもの・下ごしらえ

補助金制度の要件を公式資料から読み解く、迷惑な営業メールへの対策を考える。「調べて、まとめる」仕事はほとんど任せられます。

どれも、始める前には思いついていませんでした。やってみて初めて、「これもできるのか」が見えてきたのです。

ここが、いちばん申し上げたいところです。「何に使えるか」は、始める前に全部見えているものではありません。一つ動かしてみると、その周りが見えてくる。そういう性質のものでした。

ですから、「何に使えるか分からないから、まだ早い」と考える必要はまったくないと思っています。むしろ逆で、一つ動かさないと見えてきません。

🌱 もうひとつ、思わぬ収穫がありました

AIは、うちの会社のことを何も知りません。ですから最初のうちは、どの会社にも当てはまるような、当たりさわりのない答えしか返ってきませんでした。

そこで私たちは、自分たちの考えを文章にして、AIに渡すようにしました。何のためにやるのか。何を大事にしているのか。何をやらないと決めているのか。お客様にどう言うのか。

すると、思いがけないことが起きました。

社員に伝えるときの言葉まで、整理されていったのです。

考えてみれば当たり前でした。AIに説明できないことは、社員にも説明できていないのです。AIに分かってもらおうとして言葉にする作業は、そのまま「会社の考えを言葉にする」作業でした。

正直に言うと、最初は「AIで動画が作れるらしい」という興味から始まりました。でもやってみて分かったのは、道具そのものより、自分の会社の仕事に合わせて、どう使うかを決められるかどうかのほうがずっと大事だということでした。

そして、AIに教えようとすると、自分の考えをまとめることになります。これは相手が人でも同じですね。結局のところ、AIを使うほど、経営者が自分の言葉で語る場面は増えました。減るのではなく、増えたのです。

株式会社プロタゴ 代表・應武勝幸

💡 御社なら、何に使えるでしょうか

ご参考までに、弊社がご相談を受けている範囲です。動画はこの中の一つにすぎません。

📄 書類まわり

見積書・報告書のたたき台づくり、紙の書類を検索できるデータに変える、社内ルールや手順書の文書化

📣 お客様への案内

案内文やお知らせの作成、よくある質問の整理、電話の自動音声ガイダンス、問い合わせ対応の下書き

🛠️ 自社専用のアプリ

顧客管理、勤怠、日報、点検記録——市販のサービスに合わせるのではなく、自社の業務に合わせて作る

🧑‍🏫 教育・引き継ぎ

ベテランのやり方を言葉にして残す。新人向けの手順書や研修資料を、現場の言葉のまま作る

弊社は「発信」から始めましたが、これは自分たちが見本にならなければいけなかったからです。御社の場合は、たぶん違うところから始めたほうがいいと思います。

目安をひとつ申し上げると——「面倒だと思いながら、毎回やっていること」。それが最初の一つ目に向いています。大きな課題である必要はまったくありません。むしろ小さいほうが、型を作りやすいです。

🔍 なぜ、ここまで手の内を明かすのか

費用も、失敗して無駄にしたクレジットも、全部書きました。「そこまで書かなくても」と思われたかもしれません。

理由はひとつです。弊社はお客様に「AIを使いましょう」とご提案する会社だからです。

やったことのないものは、勧められません。カタログの説明はできても、「実際どうなんですか」と聞かれたときに答えられません。だから自分たちで先にやってみて、その全部をお見せすることにしました。この連載自体が、弊社のAI活用支援がどういうものかの見本です。

📖 まとめ:最初の一歩を、ご一緒に

顔を作り、声を固定し、工程を型にして、正直に開示する。そうやってできたのが、月6,800円で回るこの仕組みです。

特別な技術は、最後まで出てきませんでした。難しかったのも技術ではありません。一つ決めて、動かしてみる。そこさえ越えれば、あとは向こうから見えてきました。

そして、その「決める」ところ——何に使うか、どこまで任せるか、どう伝えるか——は、最初から最後まで人間の仕事でした。私にできるのは、決まったことを形にすることだけです。

弊社がいちばんお手伝いしたいのは、まさにその「決める」ところです。「何に使えるか分からない」という段階で、まったく構いません。むしろ、そこからご一緒するのがいちばん良い形だと思っています。御社の仕事の話を聞かせていただいて、どこから手をつけるかを一緒に考える——そこから始めさせてください。

6回にわたってお読みいただき、ありがとうございました。

※ この連載では触れませんでしたが、「経営方針とAI活用をどう結びつけるか」というテーマで、また別の特集を準備しています。

🤖 「何にAIを使えるか」を、一緒に考えるところから

岡山県内の中小企業様のAI活用を、プロタゴが伴走してサポートします。何に使うか・どう使うかを決めるところからご一緒に考え、Claudeで御社専用の仕組みを一緒に作ります。市販のサービスを売ることはいたしません。まずは「うちの場合どうだろう」という雑談からで構いません。

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この記事を書いた人

稀結塚あいのアバター 稀結塚あい AIコーディネーター|  株式会社プロタゴ

株式会社プロタゴが創出したAIコーディネーター。
人と情報を静かに結び、選択肢を整理する役割を担っています。
判断はせず、決めるのは常にあなた。
本記事では、情報を分かりやすく構造化し、お届けします。

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